麻酔科学・臨床麻酔 _ 麻酔科学
日本における
麻酔科学の受容と発展
[ 麻酔科学 ]
A5 判・280 頁・定価(本体5,200 円+税) 2011 年 10 月 発行
ISBN: 978-4-88003-857-5
日本麻酔科学会の「麻酔博物館」の開館に関心が高まる中,麻酔科学の源流,(続)麻酔科学の源流に続く第3弾と位置づけて.
〔主な内容〕
はじめに
Ⅰ 日本麻酔科学史の新研究
Ⅱ 華岡青洲に見る蘭漢の医学
1 Seishu Hanaoka’s philosophy of“Safty and Challenge”
2 「乳巖知見録」に見る蘭漢の医学と青洲の哲学
1.青洲の医哲学に関する従来の研究
2.「乳巖知見録」に披見される蘭医学の条文
3.「乳巖知見録」に披見される漢文の条文
Ⅲ 杉田玄白,立卿,成卿三代と草創期の日本麻酔科学
1.杉田玄白と麻沸散
2.杉田立卿と「麻唾」
3.杉田成卿とエーテル麻酔
Ⅳ 明治期のドイツ語圏留学と日本麻酔科学の発達-外科専攻留学者の動向-
1.20 世紀初頭の日本における麻酔法
2.海外留学生についてのデータベース
3.明治期の医学関係の留学生数とその留学国
4.留学先の大学や施設
5.留学生の中の外科学専攻者
6.18 世紀後半から 19 世紀初頭のドイツ外科学
7.Carl Koller によるコカインの局所麻酔作用の発見と日本への導入
8.細谷雄太・永野重業 編著『近世局所麻酔』
9.三輪徳寛の『局所麻酔』
Ⅴ 「ヤコビー線」の謎-どのような経路で情報が日本へ伝えられたか-
1.現在なお誤って伝えられている「ヤコビー線」
2.Quincke による腰椎穿刺法の発見とその臨床応用の拡大
3.明治中期の日本への腰椎穿刺法の伝播
4.August Tuffier による脊麻の発見
5.Theodor Tuffier による脊麻の普及と彼の穿刺部位の決定法
6.Heinrich Braun と「ヤコビー線」
7.もう一人の Heinrich Braun
8.その後の欧米の教科書における「ヤコビー線」の言及
9.「ヤコビー線」の明治後期から対象次代の日本への伝播
10.「ヤコビー線」と「ツゥフィエー線」
Ⅵ Saklad 博士の日本麻酔科学に及ぼした影響-来日前後の麻酔科学書に見る参考文献の言語-
1.対象とすべき著書
2.各著書に見られる参考文献の数とその言語
Ⅶ 稲本 晃京都大学教授とハローセン麻酔
1.アメリカ医学研究者の訪日
2.京都における稲本 晃教授とアルトゥジオ教授の邂逅
3.稲本教授のロックフェラー財団奨学生としてのアメリカ留学
4.新しい非爆発性,非引火性吸入麻酔薬の開発
5.武田薬品による日本のハローセンの導入
6.京都大学医学部におけるハローセンの導入
7.発売後のハローセンの普及活動
8.ハローセン麻酔の終焉
追記:武島晃爾博士について