麻酔科学・臨床麻酔 _ 臨床麻酔
術後痛サービス(POPS)マニュアル
postoperative pain service manual
[ 臨床麻酔 ]
A4 判・160 頁・定価(3,600 円+税) 2011 年 11 月
ISBN: 978-4-88003-858-2
術後痛管理をチーム医療によるサービスとして標準化することを目的に,術後痛管理サービス(postoperative pain service:POPS)の普及を推進する一冊.
〔主な目次〕
Ⅰ POPS とは
1.術後痛とは
2.POPS とは
3.POPS の効果
4.POPS の運用
Ⅱ 鎮痛計画と鎮痛法の選択
1.総論
2.鎮痛評価法
① visual analogue scale(VAS)② numerical rating scale(NRS)③ verbal rating scale(VRS)④ the faces pain scale フェイススケール
3.硬膜外鎮痛
4.静脈内鎮痛
5.選択に際しての留意点
① 患者の状態を評価する ② 鎮痛薬の選択 ③ 病棟との連携 ④ 患者教育
Ⅲ 薬 剤
1.局所麻酔薬
① POPS に使用される主な局所麻酔薬
2.オピオイド鎮痛薬
① POPS に使用される主なオピオイド鎮痛薬 ② オピオイド受容体部分作動薬(拮抗性鎮痛薬)③ オピオイド受容体拮抗薬 ④ オピオイド鎮痛薬の副作用
3.その他の鎮痛薬
① 非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDS) ② N-メチル-D アスパラギン酸(N-methly-D-aspartic acid:NMDA)受容体拮抗薬
4.鎮痛補助薬,POPS に用いられるその他の薬剤
① PONV 対策 ② 消化管蠕動運動低下対策
Ⅳ 器材と器材管理
1.総論
① わが国で使用できる器材 ② PCA は必要? ③ 理想的なポンプ
2.ディスポーザブルポンプ
① ディスポーザブルポンプの長所 ②ディスポーザブルポンプの短所 ③ わが国で使用できる各ディスポーザブルポンプの解説
3.電動式ポンプ
① CADD Legacy® PCA ② ジェムスター™ PCA ポンプ ③ アイフューザー™プラス
4.ポンプの管理法
① 電動式ポンプの管理法 ② ディスポーザブルポンプの管理法
5.ポンプの選択-その目安-
① 性能差からの検討 ② 保険償還と原価償却からの検討 ③ 器材選択の目安-院内体制からの検討-
Ⅴ 硬膜外鎮痛法
1.局所麻酔薬の選択
① リドカイン(キシロカイン®)② メピバカイン(カルボカイン®)③ ブピバカイン(マーカイン®)④レボブピバカイン(ポプスカイン®)⑤ ロピバカイン(アナペイン®)
2.併用オピオイドの選択
3.手順と用量,投与期間
4.持続硬膜外鎮痛
5.硬膜外 PCA
6.抗凝固療法との関連
①血栓溶解薬(ウロキナーゼ,アルテプラーゼ,パミテプラーゼ,モンテプラーゼ)② 未分画ヘパリン(ヘパリンナトリウム,ヘパリンカルシウム)③ 低分子ヘパリン(エノキサパリン,ダルテパリン,バルナパリン,レビパリン)④ ワルファリン ⑤ 抗血小板薬 ⑥ 選択的抗トロンビン剤 ⑦ フォンダパリヌクス ⑧ 直接的トロンビン阻害薬(ダビガトラン)
7.主な副作用と治療法
Ⅵ 静脈内鎮痛法
1.オピオイドの選択と用量
2.オピオイド静脈内投与による鎮痛の特徴
3.オピオイド静脈内投与の手順と用量
① 患者の要求に応じた静脈内単回投与 ② 静脈内持続投与 ③ ivPCA
4.ivPCA
① ivPCA の基本 ② ivPCA を有効に用いるためのポイント ③ ivPCA の適応 ④ ivPCA に用いる薬剤の選択
5.静脈内投与による術後鎮痛を行う期間
6.静脈内投与の欠点,主な副作用と治療法
Ⅶ 鎮痛評価と回診
1.鎮痛評価法とその目的
① 鎮痛評価法 ② STAS(support team assessment schedule)
2.回診に際しての留意点
① 担当看護師をゲットせよ! ② 主治医を見かけたら積極的にアタックせよ! ③ 「夜討ち朝駆け」は必勝パターン!
3.終了判断
① 術後鎮痛はいつまで必要か? ② 創傷治癒の過程と術後痛管理 ③ 終了判断 ④ 終了時刻
Ⅷ 手術部位と鎮痛法
1.食道がん根治術
① 食道がん手術と術後痛 ② 術後痛対策 ③ 症例提示
2.開胸による呼吸器外科手術/胸腔鏡
① 開胸による呼吸器外科手術による術後痛の悪影響と効果的な術後鎮痛の重要性 ② 鎮痛方法の選択 ③ POPS の概要
3.胸腔鏡補助下開胸手術
① 凝固機能異常がみられる VATS 予定の患者の術後 ② 鎮痛方法の選択-胸部の非硬膜外鎮痛- ③ 胸部傍脊椎ブロック:慎重 ④ 肋間神経ブロック:適応あり ⑤ オピオイドの全身投与:推奨される ⑥ 投与方法 ⑦ 肋間神経ブロックと ivPCA による multimodal pain therapy
4.上腹部手術
① 上腹部手術と術後痛②術後痛対策③症例提示
5.腹腔鏡下上腹部手術
① 腹腔鏡下上腹部手術と術後痛 ② 術後痛対策 ③ 症例提示
6.下腹部手術
① 硬膜外鎮痛 ② オピオイド全身投与 ③ その他の鎮痛法
7.膝関節置換術,股関節置換術
① 術前評価 ② 麻酔法の選択 ③ 周術期管理の実際
8.頭頸部手術
① POPS マニュアル推奨 ② 参考例:岡山大学病院の管理プロトコール
9.小児手術
① 小児は痛みをあまり感じない? ② 小児の痛みの評価法 ③ 自己調節鎮痛(patient-contorolled analgesia:PCA)は小児の術後鎮痛に有用 ④ 小児の PCA の特徴 ⑤ 薬剤投与経路 ⑥ ベース投与の是非 ⑦ ivPCA の使用 ⑧ PCA ポンプの設定 ⑨ 副作用対策 ⑩ PCA 管理対象症例 ⑪ PCA 管理の終了基準 ⑫ 広島大学での管理実例
Ⅸ がん疼痛管理で医療用麻薬を使用している場合の術後痛管理
1.がん疼痛の特徴と手術/医療用麻薬と疼痛の増強因子
2.医療用麻薬と疼痛の増強因子
3.医療用麻薬と術式
4.術前評価
① 鎮痛力価と薬物動態 ② 実際の評価例
5.周術期疼痛管理法
① 症例提示
Ⅹ 副作用とその対策
1.血圧低下
① 各論 ② 血圧低下のまとめ
2.排尿機能障害
① 発生機序 ② 排尿機能障害のまとめ
3.早期経口摂取と PONV 対策
① 発生機序 ② 早期経口摂取における持続胸部硬膜外鎮痛の位置付け ③ 早期経口摂取と PONV 対策のまとめ
4.運動麻痺
付 録
POPS 医師指示表例
POPS チェックリスト例
POPS クリニカルパス例
各施設での実例
1.山梨大学医学部附属病院の場合
2.広島大学病院の場合
3.慶應義塾大学病院の場合
主な略語
索 引