麻酔科学・臨床麻酔 _ 麻酔科学
華岡青洲
研究の新展開
[ 麻酔科学 ]
A 5 判 ・ 256 頁 ・ 定価 (本体 4,600 円 + 税) 2013 年 4 月発売
ISBN: 978-4-88003-874-2
華岡青洲の事績は,これまで多くの研究者によって究明されてきたが,必ずしも正鵠を得たものばかりとは言えない.日本麻酔科学会第60回学術集会(2013.5.23-25 札幌)の節目に,その基礎史料(資料)を整備し,基礎的研究に傾注し,若い世代に期待したい.
〔主な目次〕
はじめに
Ⅰ 華岡青洲研究最近の知見(2000-2012)
Ⅱ 華岡青洲伝記史料の再検討-特に江戸期の資料について-
1 浅倉璞荊山による「送序」
2 「華岡先生畧傅」
3 仁井田好古による「華岡青洲墓誌銘」
4 藤田東湖による青洲伝
5 浅田宗伯の『皇国名医伝』
6 宇津木昆台の「日本医譜」
7 川喜多真一郎の『書画医家鑒定便覧』
Ⅲ 華岡青洲の医学思想について
1 著者(松木)の見解
2 松村 巧氏の論考の批判
(1)はじめに
(2)伝記の確認と問題の所在
(3)華岡青洲の著述資料
(4)華岡青洲研究史
(5)華岡青洲の医学思想
3 結 論
Ⅳ 華岡直道の外科の師岩永氏と青洲の外科の師岩永氏について
Ⅴ 最初に全身麻酔を受けた藍屋 勘の手術について
Ⅵ 華岡青洲自著の筆跡鑑定
1 鑑定資料
2 各字の具体的説明
(1)「華」の字について
(2)「岡」の字について
(3)「震」の字について
Ⅶ 「乳巖治験録」の漢語と漢文
1 麻酔状態の表記について
2 一人称表記の漢字について
3 句末,文末の助辞について
4 訂正箇所について
Ⅷ 華岡青洲の漢詩
1 「秋夜即事」(1)「秋夜の即時」(「即時」はその場の情景を詠んだ詩の意)
2 「旅舎戯作」(1)旅舎の戯作
3 「聞雁思故郷」(1)雁を聞いて故郷を思う
4 「送別」(3)
5 「重陽平安旅舎作」(4)重陽に平安旅舎で作る
6 「五日作」(8)五日に作る
7 「遊蘭園鈴木生山荘」(10)蘭園鈴木生の山荘に遊ぶ
8 「送中川壺山生之東家」(16)中川壺山生の東家に之くを送る
9 「寄水戸南陽原先生」(16)水戸の南陽原先生に寄せる
10 「自癸亥秋至于甲子秋終期.因病臥.兩脚麻痺行.恒難.扶杖而歩.至于冬病毒盡全癒.亦更當新年.故賦元旦鄙絶.」(16)
11 「門生請題於余自像.即綴短句述其懐云.」(18)
12 「謹題 青洲先生壽像」(18)門人 加州 森 能
Ⅸ 奇患図の研究
1 はじめに
2 いわゆる「奇患図」について
3 「奇患図」の意義
4 研究対象の写本
5 「奇患図」の系統
6 「奇患図」成立の経緯
7 結 論