医学部, 薬学部, 医療検査学科, 環境学科, 看護学科などの学生から, 医師, 医学研究者, 分析化学者に至る広い範囲の読者を対象に, 赤外・近赤外分光法を理解する上で必要最小限の基礎知識を対象に平易に記述．

〈主な目次〉

第１章　赤外・近赤外分光法の概要
1. 赤外光
2. 赤外光の吸収
3. 赤外分光法の特徴
4. 近赤外分光法の特徴

第２章　生体分子の分析
1. 測定技術
(1) 赤外分光法
①透過法②全反射吸収法③顕微赤外分光法
(2) 近赤外分光法
①拡散反射法②透過法と透過反射法
2. スペクトルの解析
(1) 赤外スペクトル
(2) 近赤外スペクトル
3. データの解析
(1) 赤外分光法
(2) 近赤外分光法
第３章　生体物質の組織構成とそれらの赤外・近赤外スペクトル
1. 生体物質の組織構成
2. 水
3. タンパク質
4. 核酸
5. 脂質
6. 炭水化物

第４章　生体分子における重要な弱い相互作用
1. 静電相互作用
2. イオン-双極子相互作用
3. 双極子-双極子相互作用
4. 水素結合
5. ファンデルワールス相互作用
6. 疎水相互作用
7. π一π相互作用

第５章　赤外・近赤外分光法の臨床検査への応用
1. 血液
(1) 赤外分光法による血中グルコース濃度の測定
(2) 赤外分光法による酸化ストレス下での血液成分変化の検討
(3) 赤外分光法による手術後の血液成分変化の追跡
(4) 赤外分光法による牛海綿状脳症の血液の測定
(5) 近赤外分光法による大脳血流の測定
(6) 近赤外分光法による前腕血流の測定
まとめ
2. 尿
(1) 赤外分光法による尿路結石の測定
(2) 赤外分光法による毒物・薬物の検出
(3) 近赤外分光法による尿成分の分析
まとめ
3. 羊水
(1) 赤外分光法による羊水の測定
(2) 近赤外分光法による羊水の測定
まとめ
4. 関節滑液
(1) 赤外分光法による関節滑液の測定
(2) 近赤外分光法による関節滑液の測定
まとめ

第６章　赤外・近赤外分光法の臨床医学への応用
1. がん
(1) 胃がん
①赤外分光法による胃がん組織の測定②赤外分光法による抗がん剤の胃がん細胞への作用機序の検討
まとめ
(2) 大腸がん
①赤外分光法による結腸直腸がん組織の測定②赤外分光法による結腸直腸がん組織中のグリコーゲンの測定③赤外分光法による炎症
性大腸疾患組織と陰窩部組織の測定④赤外分光法による外科手術中の悪性組織のリアルタイムでの測定
まとめ
(3) 肺がん
①赤外分光法による肺がん組織中のグリコーゲンの測定②赤外分光法による肺がん細胞の測定
まとめ
(4) 乳がん
①赤外分光法による乳がん組織の測定②近赤外分光法によるラット乳がん発生過程の検討③近赤外分光法によるヒトの正常乳房組織
の測定④近赤外分光法によるヒト乳房の画像診断
まとめ
(5) 子宮がん
①赤外分光法による子宮頸部細胞の測定②赤外分光法による子官頸部がん組織の測定③近赤外分光法による子宮頸部細胞の測定
まとめ
(6) 前立腺がん
①赤外分光法による前立腺がん細胞・組織の測定②近赤外分光法による前立腺がん組織の測定
まとめ
(7) 脳腫瘍
①赤外分光法による脳腫瘍組織の測定②近赤外分光法による脳腫瘍組織のin vivo 測定
まとめ
(8) 肝臓がん
①赤外分光法による肝臓がん組織の測定②赤外分光法による慢性C型肝炎の線維症の測定③赤外分光法による動物実験を通しての悪性
化機構の解析
まとめ
(9) 皮膚がん
①赤外分光法による皮膚がん組織の測定②近赤外分光法による皮膚がん組織の in vivo 測定
まとめ
(10) 白血病
①赤外分光法による白血病細胞・組織の測定②赤外分光法による治療経過の追跡
まとめ
2. アルツハイマー病
(1) 赤外分光法による脳組織の測定
(2) 赤外分光法によるアミロイド β タンパク質の凝集機構の解析
(3) 赤外分光法によるペアらせん形線維の構造解析
(4) 近赤外分光法によるアルツハイマー病患者の脳の in vivo 測定
まとめ
3. 糖尿病
(1) 赤外線分光法による血液中のグルコースの測定
(2) 全反射吸収赤外分光法による血液中のグルコースの in vivo 測定
(3) 近赤外分光法による血糖濃度の in vivo 測定
まとめ
4. 心臓病
(1) 赤外分光法による奉験動物の心臓組織中のコラーゲンの測定
(2) 近赤外分光法による豚心筋組織中の酸素量の in vivo 測定
(3) 近赤外分光法によるヒト心筋組織中の酸素と水素イオン濃度の測定
まとめ
和文索引
欧文索引
略語索引