麻酔科学・臨床麻酔 _ 麻酔科学
華岡青洲~その医学と思想~
[ 麻酔科学 ]
B 5 判 ・ 994 頁 ・ 定価 13,200 円( 本体 12,000 円 + 税 ) 2022 年 7 月 発売
ISBN: 978-4-88003-943-5
本書は,著者が2015年以降に発表した論考をまとめたもので,華岡青洲の医の哲学,医の思想を示すと信じられてきた「内外合一活物窮理」や「麻沸散」についてなど,従来の定説,通説を覆す多くの論考を主題別にまとめる.どの章から読み始めてもよいという利点があり,各章の冒頭には「要約」を記し,各節の「要旨」を一括して示す章も独立して設けることで,全体を容易に短時間で把握理解することができる.
〔主な目次〕
はじめに
謝辞
凡例
Ⅰ 顕彰と謬説
要約
1 最近10年間(2012-21)の知見
2 顕彰の歩み
3 菅 茶山らの讃
4 華岡流医術の確立
5 医学と思想に対する謬説
6 謬説の誕生
7 妻加恵は失明したのか
Ⅱ 京都遊学
要約
1 名,字,号についての最新の知見
2 遊学時代に書写した『紅毛外科集』
3 青洲の『丸散便覧』と東洞の『東洞先生家塾方』
4 再上洛は何を意味するか
Ⅲ 「麻沸散」と「十四膏方」
要約
1 「通仙散」の呼称
2 「痿薬」と「原方 花井氏傳」
3 『麻薬考』7本の系統
4 『麻薬考』の剽窃
5 日本の19世紀初頭の全身麻酔薬
6 全身麻酔下の乳癌手術患者図
7 「麻沸散」の合併症
8 難波経直の「麻沸湯論条評」
9 「十四膏方」の完成と漢膏方名
10 「十四膏方」の開発
Ⅳ 乳癌手術と図譜
要約
1 『乳巖治験録』中の5枚の手術図
2 藍屋 勘に術前後に投与した漢方薬
3 赤石希范の手術図譜出版計画
4 『乳嵓之図』と『青洲先生療乳嵓図記」
5 春林軒入門者の急増
6 千葉良蔵の『辨乳岩証并治法艸稿』
7 乳癌手術後の再発問題
8 『乳嵓姓名録』に関する新知見
9 青洲と玄調の乳癌手術
10 『合水堂治験』,『華岡家治験図巻第三』と『春林軒奇患図』
11 山崎 佐旧蔵の『紀州華岡家瘍科図鑑』
12 鎖鼻,鎖陰,鎖肛,鎖宮の語史
Ⅴ 春林軒二十一種
要約
1 本間玄調による『春林軒二十一種』の撰定
2 『華岡氏遺書目録』と『春林軒二十一種』
3 『瘍科神書』
4 『瘍科瑣言』
5 『青洲医談』
6 『乳岩準』と『乳岩準附録』
7 『産科瑣言』
8 『丸散便覧』
9 『禁方録』
10 『続禁方録』
11 『瘍科方筌』
12 『青嚢秘録』
13 『奇方記聞』
14 『膏方便覧』
Ⅵ 医学思想の発展
要約
1 『漫遊雑記』の影響
2 標語「活物窮理」
3 「活物窮理」は何を意味するのか
4 仁井田好古の「内外合一」
5 吉益東洞の深甚な影響
6 「萬病一毒之説」の執筆
7 医学に対する思想
8 医学思想は独創的か
Ⅶ 華岡流医術の普及
要約
1 曽根玄達の『華岡留塾浪漫』
2 西山砂保の乳房腫瘍摘出術
3 廣田傳亮の『見聞録』
4 結解庸徳の『春林軒治験見聞録』
5 難波抱節と世界初の妊婦の全身麻酔
6 華岡誠斎の『我柯録』と『華岡氏遺書目録』
7 今村了庵の『医事啓源』と蒙汗薬
Ⅷ 本書に現れた関連事項の年表
Ⅸ 要旨
Ⅹ Abstracts of Seishu Hanaoka -His Medicine and Philosophy-
Ⅺ 著者による青洲関連の著編書・論文一覧
附録 English Translation of Nyugan-chikenroku
初出一覧
あとがき